午前8時に始まった平和記念式典には、被爆者や遺族の代表をはじめ、岸田文雄首相や広島市長のほか、98カ国の代表、そして国連アントニオ・グテーレス事務総長が出席した。
広島市の松井市長は、平和宣言の中で「核兵器による抑止力なくして平和は維持できないという考えが勢いを増している」と指摘し、「国民の生命と財産を守るためには、核兵器を無くすこと以外に根本的な解決策は見いだせないことを確信してほしい」と訴えた。
また松井市長は、『戦争と平和』で知られるロシアの文豪トルストイが残した次の言葉をかみ締めるべきだと呼びかけた。
「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない。他人の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるのだ」
このほか、松井市長は、核保有国の為政者に向けて、被爆地を訪れ、核兵器を使用した際の結末を直視すべきだと訴えた。
これに先立ち、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使は4日、原爆による犠牲者を追悼するため広島を訪れ、慰霊碑に献花した。ガルージン大使は、ロシアはこれ以上、原爆の使用を許さないという立場を堅持していると強調した。
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