症状は「うつ」症状やCOVID-19の影響に似ており、テレワークや行動規制などにより人との交流が減ったこととも関連している。このことも自覚や発見が難しい一因であり、多くの人が自分の状態を相談できないでいることとも関係しているようだ。
男性更年期障害の正式名は遅発性性腺機能低下症であり、老化とストレスから男性のテストステロンが減少し、疲労や不眠などの症状を招くという。泌尿器科の権威、堀江重郎(ほりえ・しげお)順天堂大学医学部・医学院教授によると、発症年齢は30歳から70歳と開きがあるという。
堀江教授は、治療にはホルモン投与も含まれるが、周囲が生活改善を奨励することも大切だと語る。早期発見により治療期間は短縮されるが、専門協会やクリニックなど、患者が情報交換したり相談できる場所は限られているという。
更年期障害の女性社員をサポートする企業でさえ、男性へのサポート体制は不十分だ。例えば損害保険ジャパン株式会社は、女性を対象に更年期に関するオンラインセミナーを実施しているが、男性対象の相談会は想定されておらず、また男性社員から問合せや要望は今まで1件もないという。
女性社員の更年期テストの費用を負担しているロート製薬でも、やはり男性へのサポートは実施していない。一方で、関心が高まっていることから、同社は社内セミナーや相談会を検討しているという。
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