旧日本軍将校の蒋介石軍事顧問が作成、中国大陸への反抗作戦=産経新聞

第二次世界大戦後に台湾に渡り、蒋介石の軍事顧問になった旧日本軍将校が作成した中国大陸への反抗作戦ノートが発見された。フランス在住の親族が所有していた。産経新聞が伝えている。
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作戦ノートは「第二次頭上戦術」と題され、旧陸軍中佐の糸賀公一氏(2011年没)が1965年に作成。糸賀氏は第二次世界大戦中に旧満州やシンガポールで参謀を務めた。戦後、日本に帰国したが、1951年に台湾に渡り、参謀教育を行った。
作戦の目的は「共匪偽政権(中国共産党政権)ヲ壊滅シ全大陸本土ヲ光復スルニ在リ」と明記され、台湾対岸の福建省に奇襲上陸し、広東省や江南省(現・江蘇省や安徽省)に進軍する1カ月半のシナリオだった。
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1958年にまとめられた別の冊子では、中国共産党政権がソ連や米国などに続いて核兵器を保有した場合、戦局挽回あるいは報復のために使用する恐れがあると指摘。核兵器使用を阻止する対策が必要だと主張した。
軍事顧問団は「白団」と呼ばれ、蒋介石が国共内戦に敗れた1949年に結成。旧日本軍の80人以上が参加し、68年まで台湾で軍の教育訓練を担った。その存在は長く明らかにされなかった。
台湾の元陸軍中佐で軍事評論家の黄澎孝氏は「白団が台湾の軍建設に与えた影響は大きかった」とし、白団は数多くの作戦計画を立てたとされるが、資料は一般に公開されておらず、今回海外で見つかった関連資料は非常に重要だとコメント。「台湾海峡の軍事的緊張が高まる今、白団研究には大きな意味がある」と結んだ。
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