今週、日本経済新聞は「サハリン2」について、複数の日本企業に新たな運営企業への事業の移管通知が届いていることが判明したと報道。記事によると、「サハリン2」から液化天然ガス(LNG)を購入する九州電力や西部ガスホールディングスに新たな運営企業へ事業を移管する旨の通知が届いたという。
朝日新聞は、供給先の企業関係者の話として、「返答期限が迫っており、近く契約を結ぶ意向を伝える」と引用している。記事では、「サハリン2」のLNG供給先の回答が前向きなものかどうかは明記されていない。
「サハリン2」の新運営企業には、出資の継続について、三井物産と三菱商事も9月4日までに判断するよう求められているという。電力・ガス会社に示された返答期限は8月中とみられているが、同紙は「ガスプロムしかいない会社と契約を結ぶのは不安だ」という関係者の懸念を伝えている。
また同紙は、ドイツとノードストリーム1の事例のように、将来的に契約条件が変更されたり、LNG供給量が減少したりと日本にも同様の揺さぶりをかけてくるおそれがあると指摘している。同紙によると、関係者の一人は「しばらくはこれまで通り供給を受けられても、冬になったら『供給量を減らす』などと言ってくるかもしれない。『これで安心』とはいかないだろう」と話している。
ロシア政府は8月3日、「サハリン2」の事業を引き継ぐ新会社の設立を決定したと発表した。
日本の西村康稔経産相は17日、「サハリン2」に出資する三菱商事の中西勝也社長に対し、同事業を引き継ぐ新会社への出資を前向きに検討するよう要請した。
5日には、当時経産相を務めていた萩生田光一氏が同事業に出資する三井物産の堀健一社長と面談し、新会社への参画を前向きに検討するように要請している。
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