この要求は、JCPOAの再建において主な障害の1つとなっている。米政権高官によると、イラン政府は米国が再び核合意から離脱した場合に備え、JCPOAに補償に関する条項を盛り込むことを求めているという。
高官によると、イラン核合意に関する交渉の最終的な結果はまだ分からず、「(米国のジョー・バイデン)大統領は、我々の国家安全保障上の利益につながる取引のみを承認するだろう」と述べている。
英国、ドイツ、中国、ロシア、米国、フランス、イランは2015年、イランが核開発を制限することと引き換えに対イラン制裁を解除するという核合意「JCPOA」を締結した。一方、トランプ米大統領(当時)は2018年5月、JCPOAから離脱し、対イラン制裁を復活させた。これを受けてイランは、段階的に核合意の履行を停止すると発表、遠心分離機の数やウラン濃縮度などについての制限を順守しないとした。
2022年2月、オーストラリアのウィーンで、「JCPOA」の再建と米政権によるイラン政府に対する制裁の解除に関する協議が行われた。
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