NATO代表部の独立化:日本はNATO加盟に向かっているのか?

日本は独立したNATO大使を任命する可能性がある。現在(2018年以降)、下川眞樹太駐ベルギー日本大使がNATO大使を兼任している。しかし、現在、産経新聞が外務省関係者からの情報として伝えるところによれば、現在、NATO代表部を在ベルギー大使館から独立化する動きが出ている。こうした動きを受け、「スプートニク」は、こうした出来事が日本の軍事ドクトリンの大きな変化をもたらし、近い将来、ロシアと中国に対するNATOの対抗策への日本の関わりがより深くなっていくのかどうか、専門家に話を聞いた。
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東洋大学教授で、大阪経済法科大学のアナトーリー・コーシキン客員教授は、日本はNATO代表部を正式に設置する可能性があると指摘している。
「なぜなら、日本は今、NATOの主要国との関係を活性化しています。しかも、これは緊密な軍事同盟関係にある米国との合意の下で行われています。すでに日本は英国、ドイツ、フランス、豪州の艦艇と合同演習を行ったという前例があります。豪州はNATO加盟国ではありませんが、米国と英国が参加する新しい軍事同盟オーカスに参加しています。また、日本のオーカス加盟も、時間の問題だと考えています。つまり、これは必ず実現します。というのも、米国にとって、中国とロシアに対抗するための軍事ブロックに日本が参加しないというのはナンセンスだからです。ですから、日本人がいくら自国の平和主義について主張しても、もはやその言葉からは何の意味も残されていません。そして近い将来、日本では平和憲法の改正に関する国民投票が行われ、憲法第9条の主な内容は変更されることになるでしょう。いずれにせよ、いわゆる日本の自衛隊は合法化され、日本は安倍元首相が求めていたような『通常の』強力な軍を保有することになるでしょう」。
日本のNATO代表部を設置するというのは、単に公式的なものである。なぜなら以前から、ベルギー大使館の防衛駐在官がこの機能を果たしていたからである。つまり、日本の今回の決定は、ある意味において、示威的なジェスチャーなのである。
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最近(2022年6月29日〜30日)スペインのマドリードで開かれたNATO首脳会合に、日本の代表が初めて出席し、NATOが直面する現在の課題をテーマ(ウクライナ情勢を含む)にした協議に参加した。
コーシキン氏はこれに関し、次のように強調している。
「つまり、NATO諸国の対ロシア政策において、日本政府とNATOの間に何の意見の相違も聞かれませんでした。ですから、東洋でNATOのようなものの創設が行われている(ある意味で、西と東の防衛軍事ブロックの統合がなされている)というのが、今の現実なのです。つまり、中国とロシアはこの事実をかなり深刻に捉えるべきだと思います」。
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一方、ロシア科学アカデミー世界経済・国際関係研究所、日本経済政治グループのヴィタリー・シヴィトコ所長は、日本のNATO加盟に関する状況を必要以上に誇張してとらえる必要はないとしている。シヴィトコ氏は、これらはすべて、「官僚主義的な優先性の決定であり、何か具体的な内容があるわけではない」との考えを示している。
「つまり、日本政府とNATOの関係は、この後も、根本的には変わりません。日本とNATOはこれまで同様、必要な情報交換をするにとどまり、それ以上にはならないでしょう。ですから、日本のNATO代表部設置というのは、何よりも、日本の国際的な権威に関わる問題です。日本は世界の地政学的な舞台において、より意義のある地位に立とうとしています。つまり、大規模な軍事同盟であるNATOの代表部設置は、日本の軍事政策の『内容』を反映するものではなく、集団的な西側陣営の重要なメンバーとしての日本の立場を高めることにあるのです」。
シヴィトコ氏はまた、日本は以前と同様、NATOやオーカスへの加盟からは「距離を置こう」とするだろうと考えている。そして、日本は代表部設置するだけにとどまり、軍事ブロックNATOに加盟する国々が負う具体的な軍事上の義務からは回避しているのだと指摘する。またシヴィトコ氏は、岸田首相は、今後も、より高いレベルのすべての国際組織で、より広く日本の代表を出すことにあらゆる努力を傾けていくだろうと述べている。
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一方、アナトーリー・コーシキン氏は、こうした楽観的考えには同意せず、米国は積極的に日本を極超音速兵器の製造に引き入れようとしていると指摘する。
「米国にとって、日本の科学技術分野における潜在力がとても重要です。そうすれば、極超音速兵器の開発で、より早くロシアに追いつけるからです。しかも、極超音速兵器は中国でも開発されているのです。しかし、重要なことは、これによって、日本が、ロシアや中国に敵対する米国の軍事ドクトリンにより深く関わっていくことになるということです。まさにこうした理由から、米国は日本にこれほど早いテンポで近代的な陸軍や海軍、宇宙軍、サイバー軍の創設を可能にしているのです。これらはすべて、日本の軍事力、科学技術力を自国の軍事戦略に引き入れていこうという唯一の目的を持つものです。少なくとも、東アジアで、そして概して世界全体で、です」。
こうした事実から判断して、この先、ロシアと中国はさらに接近し、アジア太平洋地域で新たな軍事演習を行うだろうと、コーシキン氏は締めくくっている。
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