オドンネル主任査察官は、武器搬入の追跡システムは監査の一環で確認する必要があるとし、ウクライナ人役人らは米国から搬入の機器の記録をレシート上で行っていることを明らかにした。オドンネル主任査察官は「これはすべて紙の書類だ」と述べ、おそらくウクライナ人の役人らは米国から搬入された機器が最終的にどこにあるかも正確に把握していないと思うともらした。
オドンネル主任査察官は、米国防総省は過去にイラク、アフガニスタンでも武器調達の追跡が非効率な結果に終わったことを指摘した。
こうした一方でオドンネル主任査察官は、NATOは武器引き渡しの際に十分な安全基準が順守されていると確信しているようだと補足した。
オドンネル主任査察官によれば、米国防総省は監査システムの効率性チェックの他に米国とNATO加盟国間の諜報データー交換の合意、ウクライナ軍の訓練の効率性、戦闘装備の闇市場への流出の危険性についても調べる計画を持っている。
ロシア国防省のショイグ大臣はこれより前、諸外国がウクライナに調達する軍事援助は一部が中東および闇市場へと流出していると指摘していた。ロシアのハッカー集団RaHDItのあるメンバーがリアノーボスチ通信に対して、ウクライナの諜報機関は西側から調達された武器を闇市場へ転売する犯罪者や密売人と組んでいると明かしている。
フィナンシャルタイムズは、NATOおよびEU諸国はウクライナに調達した武器が犯罪組織から闇市場へ渡ることを懸念し、特別なモニタリングのメカニズムの創設を検討していると報じた。これについてウクライナ国家安全保障評議会は西側から供給された武器が欧州の闇市場へ流出しているという非難を退けている。
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