モスクワで「日本からの朝鮮半島解放」77周年を記念した会議開催 参加者「歴史の改ざんに危機感」

12日、モスクワ市内の「民族の家」で、日本からの朝鮮半島解放77周年を記念した円卓会議が行われ、ロシアの東洋学者や朝鮮史研究者、文化人や芸術家が集まった。東アジアの歴史を形成し、朝鮮半島やロシア、旧ソ連に住む朝鮮人にとっても運命的な出来事となったこの出来事について、さまざまな角度から報告や講演が行われた。
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ロシア科学アカデミー東洋学研究所のアレクサンドル・ボロンツォフ韓国・モンゴル部長は「アメリカや日本を含む多くの国による、太平洋戦争における戦勝国の貢献を減じ、敗戦国の役割を白紙に戻すための歴史書き換え作戦が現実のものとなってきている」と主張した。
ボロンツォフ氏は、「欧米では、1945年の日本の敗戦はすべて米軍によるもので、8月に投下された2つの原爆が日本を降伏させた主な理由であるとする説が支配的だが、米国は対日戦争にソ連を巻き込まなければ、軍事作戦は1946年秋、あるいは1947年まで続き、100万人の犠牲者を出すことになると確信していた」と指摘。「そこで米国は、アジア大陸で数百万人の日本軍を撃破できる唯一の存在である強力なソ連陸軍の参加を切望しており、ソ連の一刻も早い対日参戦を願っていた」と述べ、ソ連による8月8日の宣戦布告から1週間、ソ連が本土で急速かつ圧勝したことによって、日本は戦略的破綻に陥り、降伏宣言をせざるを得なくなった、との見解を示した。
ロシア民族友好大学のキム・ボンイル講師は、多くの韓国人は日本の植民地支配時代を忘れることができず、3世代に渡って「反日」というテーマは韓国社会にとって非常に重要な意味をもっている」と指摘した。
キム氏は「韓国併合と日本による植民地支配が、韓国の人々に消えない傷を与えたことがその理由だ。日本の植民地政策、特に同化政策は、朝鮮民族のアイデンティティに深刻な打撃を与えた。同化政策とは、学校教育から朝鮮語や朝鮮の歴史を排除するなどの民族教育の禁止、日常生活での日本語使用の強制、日本の神社への参拝の強制、朝鮮の若者に日本軍への従軍を呼びかけるといったことだ。韓国人は、日本が韓国を植民地支配したことについて謝罪や反省をするつもりはないと考えている」と批判した。
アンドレイ・シン氏
この会議に参加した朝鮮戦争退役軍人会会長で「コリアン・ラジオ」編集長のアンドレイ・シン氏は「重要かつ必要なイベントだった」と振り返る。
「第二次世界大戦をはじめとした、戦争や武力紛争の悲劇の生き証人が年々少なくなっている今日、歴史を改ざんする大規模な運動が各国で組織されています。例えばナチスの侵略からソ連を解放した記念碑が、バルト三国で一斉に取り壊されています。これらの国の指導者は、ロシアを敵視するあまり、記憶を消そうとしていますが、その行為は「自国の歴史に大胆な終止符を打つ」ことにもなります。ファシスト勢力が再び頭をもたげ、反人間的な価値観を世界に押し付けようとしている今日、私たちは世界市民として、異なる国籍、異なる信仰を持つ者同士が団結しなければならないと確信しています。」
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