イランとロシアが「天然ガスのOPEC」を設立する可能性=オイルプライス

イランとロシアは、石油輸出国機構(OPEC)のようなグローバルな天然ガスのカルテル設立に向けて準備を進めている。米メディア「オイルプライス」は、ロシア国営天然ガス企業「ガスプロム」とイラン国営石油会社(NIOC)の間で署名された覚書は、その目標に向けた重要なマイルストーンだと指摘している。
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7月、ガスプロムとNIOCは400億ドル(5兆4600億)規模の覚書に署名した。現行のガス輸出国フォーラムを基盤とした「天然ガスのOPEC」は今後、世界のガス埋蔵量の膨大な割合を調整し、ガス価格をコントロールすることを保証するものだという。ロシアのガス埋蔵量は世界第1位で48兆立方メートル弱、イランは34兆立方メートル弱であり、両国は世界第1位と2位のガス埋蔵量を誇る。
イラン石油省と緊密な関係にある高官の話を引用している同メディアによると、この覚書は、世界の供給マトリックスの重要な要素、つまりパイプラインと船舶で輸送される天然ガスをできるだけ多くコントロールすることを目指すものとなっている。
欧州ガス価格、1000 立方メートルあたり3000ドル超える さらに上昇する可能性も
同メディアは、覚書における主要な要素を次のように述べている。
ガスプロムは、将来的に日量合計1000万立方メートル超の天然ガスを生産できるキキッシュ・ガス田とノース・フィールド・ガス田の開発について、NIOCに全面的に協力することを約束した。
ガスプロムは、イランとカタールの海上の国境にある巨大なサウス・パルス・ガス田の圧力を高めるための150億ドル(約2兆520億円)規模のプロジェクトの実現に必要な支援をすべて提供することも約束している。
ガスプロムは、様々な液化天然ガス計画とガス輸出用のパイプラインの建設を支援する。
ロシアは、中東の他の主要ガス生産国に対し、「天然ガスのOPEC」の展開プロセスへの参加を説得するためのあらゆる機会を探る。
同メディアの著者は、天然ガス主要生産国の中で、特にカタールについて取り上げている。イランとカタールは、共同開発した巨大ガス田の操業させるために良好な関係を築く必要性がある。さらに記事では、カタールはサウジアラビアに対して「嫌悪感」を抱いており、それを「ロシアとイランが利用できる」と述べられている。もしカタールが「天然ガスのOPEC」に参加すれば、この「ガス同盟」は世界の天然ガス埋蔵量の60%弱を占めることになる。
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