「日本のロシア文化への態度は政治に左右されない」 日本でロシア文化フェスティバルが開幕

冷戦後最悪ともいわれるまでロシアと日本の関係が冷え込んでいるなか、東京都千代田区の紀尾井ホールで29日、「ロシア文化フェスティバル2022」の開会イベントが行われた。これに関連し、ロシア政府高官からは「日本のロシア文化への態度は政治に左右されない」との声があがった。
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日本のロシア文化フェスティバルは2006年から毎年開催。47都道府県で500以上のイベントが開催され、累計で1800万人以上が参加している。今年は民族舞踊団「国立モイセーエフバレエ団」の公演など、計28のプログラムが予定されている。29日の開会イベントでは露日のアーティストによるコンサートで、ラフマニノフやスクリャービンの作品が演奏されたという。
また、北海道新聞などによると、フェスティバルは例年露日両政府が後押ししてきたが、今年は関係悪化を受け日本政府は後援せず、日ロ地域交流年の関連事業とすることも見送ったという。一方で、フェスティバルの公式サイトでは日本組織委員会の委員長を務めてきた故・安倍晋三元首相のメッセージを紹介している。安倍元首相は「文化分野の交流は日露両国間の諸懸案解決と善隣友好関係の発展のためのよりよい環境を醸成することは疑いありません」としている。
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開会に関連して、ロシア連邦大統領文化特別代理でフェスティバルのロシア側の委員長を務めるミハイル・シュヴィトコイ氏は、ロシア文化は世界文化から分離できない現象であり、「文化を否定するのは不可能だ」との認識を示したうえで、次のように述べている。

「昨今の状況は文化が政治の影響を受けていることを証明している。だが、文化は政治より上だ。文化は永久性に向けたものであるが、政治はその時々の現実にあわせて動く。我々はこれを理解しなくてはならない。日本におけるロシア文化は、ロシアにおける日本文化への態度と同じもので、露日の政治的活動によって左右されるものではない」

また、シュヴィトコイ氏は欧米を中心にロシア文化を否定する動きが広まっていることに懸念を示した。
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