AP通信が入手した情報によると、テドロスWHO事務局長は職員に宛てたメールの中で葛西氏は「休暇中」であると告げ、詳細には触れなかったという。
同通信が数カ月前に実施した調査では、数十人の職員から、葛西氏による国連の活動を損なう人種差別的、攻撃的、非倫理的な言動に対して非難の声が上がっていた。
今回の葛西氏の停職を受け、「業務を円滑に遂行するため」ジュジャンナ・ヤカブWHO副事務局長が代わりを務めるという。
WHOの声明では、葛西氏の不在期間については不明であり、引き続き調査を行うとしている。地域責任者が停職処分にあうのは初のケース。葛西氏は以前、差別的発言や職業倫理から外れた行動については否定していた。現時点ではAP通信の問合せに回答していない。
AP通信では以前、WHO専門家の話として、非倫理的言動に加えて日本政府への機密情報漏洩についても葛西氏が非難されたことを取り上げた。機密情報には、隣国への新型コロナワクチンの寄付について、政治的に有利な配分方法の判断材料になるものが含まれていた。葛西氏はまた、WHO職員らに対し、ワクチン分配の際には国連COVAXプログラムではなく、日本の寄付を優先するよう圧力をかけていた。