ブルームバーグによれば、急落する円相場に対する日本政府の反応はかなり抑制的で、日本政府は金融市場および円安の動向を注視してゆく、金融市場で急激な変化を起こすべきではないという声明にとどまっていた。
2022年1月から今までに円相場はほぼ21%下落。過去1年間で円の対ドルレートはほぼ27%も下がった。円安は、日銀のあまりにもソフトな金融政策と、過去40年で最高水準に達した米国のインフレ率を抑制する目的で連邦準備制度(FRB)がこの先、政策を厳格化するだろうという見通しに大きく開きがあることが主な原因となっている。
市場のプレーヤーらは米国の金利はこの先も上昇し、日銀が事実上、ネガティブな水準まで抑えている円の金利との開きはますます進むと見ている。これによりドル建ての商品への投資はますます資産価値が高まることになるが、日銀の指導部はインフレ率2%の達成を目指した現在の政策を変更するつもりはないと再三にわたって繰り返している。
ブルームバーグは、一連の観測筋の見解では円安は輸出に特化した大企業には好都合だが、長期的には日本経済に否定的な影響を及ぼしかねないと報じている。
ブルームバーグは日本人エコノミストのシンボ・マサキ氏の見解を引用し、紹介している。
「通貨の力とはイコール国力だ。円安は短期的展望では労働力や経営資源を安くし、全体的には景気は回復するように見えるが、中期的、長期的には日本経済を損ねてしまう」
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