シーヤールトー外務貿易大臣は、ハンガリーのATVテレビのインタビューに応じた中で、原子力発電所「パクシュ」の燃料供給に米企業ウェスティング・ハウスが参加する可能性について問われ、「パクシュ1の燃料については、ロシアとの間ですでに締結された契約があり、それに基づき定期的な供給が行われているため、他のパートナーを模索する意味はない」とした。
「もちろん、あらゆる提案を検討するが、少なくとも、現在どこからもそのような提案は出されておらず、現状を変更する意味はないと考えている」と語った。
また同大臣は、4月にロシアから「パクシュ1」用の燃料が航空便で届けられたが、その燃料は今後2年にわたって十分な量であると明らかにした。
ハンガリー唯一の原子力発電所「パクシュ」は、ブダペストから100キロ、パクシュ市から5キロの場所に位置している。発電所はソ連の設計に基づいて建設され、現在、4基の原子炉(VVER–440)が稼働している。現在、「パクシュ」ではハンガリーの電力全体のほぼ半分が生産されているが、今後、新たな原子炉が2基導入される計画で、その後、原発による電力生産量は2倍になると見られている。ハンガリー政府は、これまでに何度も、ハンガリーにとって、原子力は、エネルギーの安全保障を確保するための手段であると強調してきた。
2014年末、ロシアとハンガリーは原子力発電所「パクシュ」に新たに第5、第6原子炉を増設することで合意に達した。増設される原子炉は、最新の安全基準に沿った信頼度の高いロシア製の最新式原子炉VVER–1200となる。またロシアはこのプロジェクトの総工費125億ユーロ(およそ1兆7000億円)のうち、最大100億ユーロ(およそ1兆4000億円)をハンガリーに融資すると伝えられている。
関連ニュース