この感染症は、体の痛み、発熱、だるさなどの特徴があり、新型コロナウイルスと似たような症状を示すという。また、トマトほどのサイズの大きな水疱ができ、痛みを伴うことから「トマト風邪」と呼ばれるようになった。
このウイルスに関する詳細はしばらく分かっていなかったが、英国人の子ども2人が「トマト風邪」の症状が出たことで状況が一変した。インド南部ケララ州を旅行した英国人一家の5歳の男の子と1歳1ヶ月の女の子が、帰国後にこの感染症の症状を示したという。
医師らはすぐに、子どもたちからウイルスを採取し、検査を行った。その結果、この2人は「コクサッキーA16」というエンテロウイルスに感染したことが分かった。このウイルスは手足口病を引き起こすというもので、「トマト風邪」は未知のウイルスによるものではなく、トマトとも関係がなく、新しい感染症でもないことが判明した。
また、英国の研究者らは、「コクサッキーA16」は決して特殊なウイルスではないと指摘している。ゲノム検査の結果、このウイルスは、10年前に中国で確認された「コクサッキーA16型」の近縁であることが分かったという。
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