同組織の計算では、「太平洋ゴミベルト」の面積は約160万平方キロメートルで、総重量は約8万8000トン。このゴミの撤去は、巨大なU字型の浮きを船で牽引する方法ですでに行われている。オーシャン・クリーンアップは、ゴミの回収に取り組むとともに、そのゴミの内容物についても調査を行った。同組織が5センチ以上のプラスチック製固形物6000個超を調べたところ、このゴミベルトで見つかったプラスチックの75%から86%が漁業活動に由来するものであることが明らかになった。
海で漂流する大量のプラスチックごみというと、捨てられたペットボトルやポリ袋、食品の包装などを思い浮かべる。実際、河川から海へ流れ込むプラスチックは、こういった家庭ゴミが最も大きな割合を占めている。しかし、風や海流などで海で発生したプラスチックごみは、河川から運ばれてきたプラスチックよりも外洋に蓄積されやすいため、漁業関連の廃棄物がより多く集まる現象が起きているという。
さらに、この海域で最もゴミを増やしているのは誰なのかも判明した。プラスチックごみに印刷されたブランド名や言語などから判断すると、日本(34%)、中国(32%)、朝鮮半島(10%)、米国(7%)の製品が多かったという。この結果を受け、オーシャン・クリーンアップは、プラスチックごみによる海の汚染を食い止めるために、これらの地域で漁業を行っているすべての人に漁具の使用をやめるよう呼びかけている。また、河川から海洋に流れ出るプラスチックごみの対策も、世界の海をきれいにするための優先事項であると指摘している。
スプートニクは以前、英国ロンドンのテムズ川では、下水道から流入した使用済みウェットティッシュがテニスコート2面に相当する島が形成されたと報じた。この島ができたことで、テムズ川の流れは変わってしまったという。
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