ウラン価格は8月中旬以降に7%上昇し、1ポンドあたり50ドル(約7180円)を超えた。多くの市場関係者はウラン価格がさらに上昇すると予想しており、バンク・オブ・アメリカの専門家は、2023年にはウラン価格が1ポンドあたり70ドル(約1万円)程度になるとみている。
現在のウラン市場は、エネルギー危機が深刻化している欧州連合(EU)でウラン需要が増加していることや、欧州以外の地域で核燃料に対する考え方が変化したことに支えられている。
日本政府は8月、原発再稼働の動きを加速し、次世代型原発の建設について検討するとの考えを示した。そして、原発計画を凍結していた韓国も同様の動きをみせている。
また、ドイツ政府は原発閉鎖の延期について検討している。
投資銀行「ベレンベルグ銀行」の専門家によると、ロシアは世界の濃縮ウラン製造能力の40%を占めている。そのため専門家は、「ロシアが世界の燃料サプライチェーンから排除されることは、市場の不安定化や価格変動の原因となりうる」と指摘している。
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