ハービスト外相は、フィンランドの主要紙「ヘルシンギン・サノマット」からのインタビューに答えた中で、EUが観光ビザの発給を全面的に停止するとの決定を下した場合、フィンランドを含むEU諸国は急を要するジャーナリストや市民活動家、反政府の代表などに対する別のタイプのビザを用意する可能性は十分にあると述べ、バルト沿岸諸国などもそのようなビザを導入していると指摘した。
観光ビザの発給停止には、EU全体の決定が必要となっている。これについてハービスト外相は「この状況の中、我々は合法的にできるあらゆることを行った。我々は、EUがビザに関する制裁をEU全体に発動し、明確な法的根拠を示してくれるとありがたいと考えていると述べ、我々はEUの指示を待っており、より厳しい措置を講じる用意があるとした。
さらに外相は、フィンランドだけが新たな制限を講じる必要性はないとの考えを示し、「我々が制限を発動するのは、共同の決定が下された場合のみである。新たな制限の下で、フィンランドは最小限のビザしか発給していないが、他の国々のシェンゲン・ビザがどのように発給されるのかというのは大きな問題である。それはシェンゲン・ビザもフィンランドの国境通過に使われるからで、そうした意味で、EU全体の政策がきわめて重要だ」と強調した。
外相によれば、現在、ロシア人へのビザの発給数がもっとも多いのはギリシャ、イタリア、スペインだという。
EUとロシアの間で結ばれていたビザ発給円滑化協定は、9月12日に停止した。またポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアはロシア人の渡航制限を発動することで合意し、ロシア人の渡航に対して地域のルールとして足並みを揃えている。ポーランド政府のピオトル・ミュラー報道官は、ポーランドとバルト沿岸諸国は、第3国が発給したビザを取得していても、ロシア人をシェンゲン圏には入れないことにしていると述べている。
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