タジキスタン・キルギス国境での軍備強化、衝突、砲撃 激化する紛争の主な出来事

タジキスタンとキルギスの国境で16日未明、武力衝突が発生した。この衝突は両国の全ての国境沿いで発生した。
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これよりも前の14日、両国の国境付近の情勢が激化。キルギス側によると、タジキスタンの国境警備隊が同日、タジキスタン国境に接するキルギスのバトケン州に侵入し、「戦闘態勢に入った」という。銃撃戦が始まったが、戦闘はその日のうちに停止した。

新たなエスカレーション

キルギス国境局は、タジキスタンがすべての協定に違反し、「国境と民間施設を不当に攻撃している」と非難し、停戦を呼びかけた。キルギス外務省によると、タジキスタン側はこれよりも前に、キルギスとの国境に軍隊と重装備の兵器を配備したという。また、キルギス政府は、国境地域から民間人を避難させ始めたと発表。キルギス保健省は、国境での紛争で兵士と民間人を含めて31人が負傷したと明らかにした。
一方、タジキスタン政府はキルギス側を非難した。タジキスタン国家安全保障委員会によると、キルギス国境警備隊がタジキスタン国境の前哨基地に向けて迫撃砲を発射し、複数の村に「武力攻撃」を行った。タジキスタンの治安当局によると、タジキスタン国境警備隊員1人が死亡し、3人が負傷した。

和平交渉への試み

集団安全保障条約(CSTO)のスタニスラフ・ザス事務局長と、キルギス安全保障理事会のマラト・イマンクロフ事務局長、タジキスタン安全保障理事会のナスルッロ・マハムドゾダ事務局長が電話会談を行い、即時停戦と交渉の必要性について議論した。現在までのところ、両国はCSTOに直接支援を要請していない。
タジキスタン国家安全保障委員会は、キルギスが国境情勢に関する和平交渉の申し入れを受け入れていないと発表した。また、キルギス国家安全保障委員会は、「停戦に向けて努力しているにもかかわらず、現地周辺では激しい戦闘が続いている」と述べた上で、「タジキスタン側は紛争地域に重装備の兵器を持ち込み続け、領土を奪取しようと利用可能なすべての兵器を使用している」と指摘している。
タジキスタンとキルギスの国境の長さは980キロを超え、ソ連崩壊後に数十箇所にのぼる係争地が発生した。また、現地では国境付近の住民や国境警備隊の間で争いや対立が起きている地域が存在する。
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