スノーデン事件で関係を悪化させた英米の諜報機関

エドワード・スノーデン事件は、豪、カナダ、ニュージーランド、英国、米国が加盟する機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」内の対立を生み出した。英紙「ガーディアン」が調査報道記者のリチャード・ケルバイ氏の新刊本の内容を引用して伝えた。
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ケルバイ氏はその著作の中で、英国の諜報機関が、米国家安全保障局の依頼を遂行するのを拒否し、またガーディアンをはじめとする自国のメディアが米国の特務機関の監視プログラムに関する明確な証拠を集めた匿名の情報筋の告発内容を公表するのを妨害しなかったという2013年の出来事についても明かしている。当時、米国の諜報機関も英国の諜報機関も、この情報の提供者が、米国家安全保障局の元職員であるエドワード・スノーデン氏であることを知らなかった。
ケルベイ氏の調査によれば、米国家安全保障局に呼び出された英政府通信本部長官は、依頼を拒否した理由について、匿名の情報筋から入手した秘密データの公表は禁止されていると説明し、この情報から英国市民の身の危険は感じられないと述べたという。結果的に、ガーディアンはスノーデン氏が提供した極秘情報を公開したが、いかなる迫害も受けなかった。
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しかし、英国が米国家安全保障局の情報の公開を防がなかったことは、スノーデン事件が「ファイブ・アイズ」の分裂を招いたいくつものエピソードの一つにすぎないとケルベイ氏は著書の中で指摘している。
米国と英国の諜報機関の関係は、米国が英国に対し、情報を漏洩した人物がスノーデンであると特定できたことを英国側に伝えなかったことで、さらに緊張したものとなった。その結果、英国は情報を漏洩した人物が内部の人間であるかもしれないとの疑いを持つこととなり、多大な労力を使うこととなり、それがスノーデン氏だったと知ったのは、彼がガーディアンからのインタビューに応じた後であった。
スノーデン氏のおかげで世に知られることとなった資料の中には、カナダ、豪州、ニュージーランドの機密文書が含まれていたという。というのも、これらの国々は米国家安全保障局と共通のデータベースを通じて、情報交換を行なっていたからであるとガーディアン紙は指摘している。「ファイブ・アイズ」に加盟する米国の同盟国は、米国家安全保障局のコンピュータシステムの管理者がかくも容易に機密情報にアクセスできたことや、スノーデン氏と同様の高度なアクセス権を有する人物が米国内に150万人もいたことに憤慨した。そしてその憤慨は、米国家安全保障局がG20のパートナー諸国に対しても諜報活動を行なっていたことが明らかになったとき、ピークに達した。
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しかし、ケルベイ氏の調査によれば、米諜報機関に直接抗議したのは、英国だけで、その他の国々は、米国家安全保障局に機密情報へのアクセスを禁止されることを恐れ、沈黙を守ったという。ケルベイ氏が指摘するには、そしてまもなく、英国諜報機関も、その怒りを飲み込むことになった。ケルベイ氏はその著書の中で、英国のキム・ダロック国家安全保障問題担当首相補佐官の言葉を引用している。
「米国は英国に対し、英国が米国に与えているよりも、もっと多くのことを与えてくれている。そこで、我々はこれに折り合いをつけるしかない」
米中央情報局の元職員エドワード・スノーデン氏が、iPhoneユーザーは、携帯電話メーカーに個人データやファイルにアクセスされる危険性があると警告したというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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