同探査車は、火星のクレーター「ジュゼロ」で太古の昔に流れていた河川のデルタ地帯で4種類の岩石土壌サンプルを採取。それらのサンプルは、以前のミッションでジュゼロの底から採取した土壌サンプルとは組成が大きく異なり、鉱物中の有機物の密度が非常に高いという。
パーサヴィアランスが以前、ジュゼロのクレーターの底で採取したサンプルは古代に起きた噴火、つまり、火星の奥深くから噴出したマグマが火山岩となって地表に放出されたものだった。そこで今回のミッションでは、ジュゼロのデルタ地帯で、35億年前に形成された岩石のサンプルを採取した。
今回採取されたサンプルは、大小さまざまな有機物の粒子が水の環境下で堆積してできたものであることがすでに確認されている。4種類のサンプルに含まれる有機分子は、主に炭素化合物と水素原子、酸素原子で構成されており、窒素、リン、硫黄など他の元素を含んでいる場合もあるという。NASAの研究者は、こういった物質は生物が生活する環境以外の場所でも形成されるが、サンプルに高濃度の有機物が含まれていたという事実は、かつて火星に生命体が存在したことを示している可能性があると指摘している。
スプートニクは以前、火星の水が消滅した原因を突き止めた研究について報じた。
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