カナダのダルハウジー大学の研究者らは今回、水深100メートルまでに生息する海洋生物や植物約2万5000種を調査した。その結果、温室効果ガスの排出が高い水準で続けば、約90%が「重大な」、または「高い」リスクにさらされ、現在の分布域では生息できない恐れがあるという。
また、低緯度地域に生息するサメやエイなどの哺乳類の75%以上が、気候変動の影響を最も強く受けることが分かった。
研究者らは、気候変動は漁業への依存度が高い低所得国の最大のリスクになると指摘している。温室効果ガスの排出量の削減は、ほぼ全ての海洋生物のリスクを低減し、生態系の安定性を高め、低所得国の食糧不安問題の解消につながる。研究者らは、気候変動に関するリスク評価は、より脆弱な海洋生物を保全することに役立つと指摘している。
これよりも前、スプートニクは、地球で4億4500万年前に起きた大量絶滅で海洋生物の約85%が絶滅した原因は、海水中の酸素が不足したことにあるという研究について報じている。
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