ニュージーランド・オタゴ古生物学研究所の所長を務めるニック・ローレンス氏は科学ニュースサイト「Live Science」の取材に、「6度目の大量絶滅は確実に起こりうる」と断言。また、世界的な絶滅が起こらずとも、人間に活動により急速に変化する世界に適応できない種は、生息域の縮小や個体数の減少など、局所的に絶滅する可能性が高いと指摘する。
国際自然保護連合(IUCN)と世界自然保護基金 (WWF)は現在、スマトラオランウータンやアムールヒョウ、スマトラゾウ、タイマイなど多数の有名種を「絶滅寸前」に分類。「絶滅寸前種」と分類されるのは、過去10年間或いは3世代の間に個体数が80~90%以上急速に減少したり、個体数が50頭以下まで減少したりなど、野生での絶滅の危険性が極めて高い種。事実、アムールヒョウは70頭、世界で最も希少な海洋哺乳類とされるコガシラネズミイルカは10頭にまで減少している。
さらに、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の2018年の報告書によると、2030年代前半までに地球の気温が1.5度上昇すれば、世界中のサンゴ礁の99%が回復不能となるおそれがあるという。
一方でローレンス氏は、2050年までに絶滅する可能性のある種の数を正確に把握することは非常に困難であると語る。現在、地球上にどれだけの種が存在するかも判明しない中、絶滅の危機に瀕するすべての種を特定することは不可能に近いという。