共同通信の報道によると、日本の林芳正外相は、在ウラジオストク日本総領事館の領事がスパイ活動を行ったとしてロシア連邦保安庁(FSB)に拘束された件に関して、ガルージン駐日ロシア大使を外務省に呼び出した。森健良外務事務次官が厳重に抗議し、謝罪と再発防止を要求したという。
なお、日本政府関係者およびウラジオストク治安当局は27日、拘束された領事に関して、既に解放されたと明らかにした。
また林外相は、拘束された領事について「違法な活動を行った事実は全くない」と記者団に述べた。同時に、拘束したロシア当局側の行為は「領事関係に関するウィーン条約」に明確に違反すると指摘。「極めて遺憾で、決して受け入れられない」と非難した。
松野官房長官は、拘束された領事に関し「安全を最優先する観点から、28日までにロシアを出国する予定だ」と明らかにした。
FSBは26日、スパイ活動を行ったとして在ウラジオストク日本総領事館の領事、モトキ・タツノリ氏(ロシア語原文ママ)を拘束したと発表した。FSBによると、モトキ氏はロシアと「アジア太平洋地域のうちの一国」との協力やウラジオストクが位置する沿海州における西側諸国の対露制裁の影響に関連した秘匿情報を、金と引き換えに入手するなどのスパイ活動を行い、ロシアの法律に違反したとしている。FSBの公開したビデオには、モトキ氏が罪状を認める様子が映っている。