「ノルドストリーム2」の運営会社は26日、デンマークの排他的経済水域(EEZ)を通るパイプラインの圧力が急低下したとし非常事態が発生したと発表。その後、デンマーク海事局は近海でガス漏れが確認されたと明らかにした。
一方、バルト海を通る別のパイプライン「ノルドストリーム1」でも圧力低下が確認された。スウェーデン海事局は同国とデンマークのEEZ内で2カ所でパイプラインのガス漏れが発生したと発表していた。
ガス漏れがあった2つのパイプラインはいずれも現在供用停止となっているが、工業用ガスで満たされていた。デンマークやスウェーデンの警察当局などが詳しい原因の特定のため捜査を進めている。
ロイター通信などによると、スウェーデンのフレデリクセン首相は27日、ガス漏れが「意図的な行動」によってもたらされたとの認識を示した。だが、犯人に関する情報はまだないとしている。また、これがデンマークに対する攻撃とみなすかという質問に対しては、EEZ内であるものの公海であるため攻撃にはあたらないと答えた。
一方、「ノルドストリーム1」の運営会社は同日、ガス漏れが「物理的な損傷」によって起こったと明らかにした。
また、スウェーデン・ウプサラ大学の地震学者の話としてロイター通信が伝えたところによると、ガス漏れは地震や地滑りではなく複数の爆発によって起こったとの見方を伝えている。2回目の爆発は100トンのダイナマイトの爆発に匹敵する規模だという。
これまでにロシア大統領府のペスコフ報道官は「ノルドストリーム」の状況について懸念を表明し、何者かによる破壊工作による可能性も排除できないと指摘。一方で、結論を出すにはまだ早いとして、調査を慎重に見守る姿勢をみせている。
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