「戦闘行為はロシアのスポーツ選手によって始まったのではない。(編集注:特殊軍事作戦から)距離を取ってきた選手については中立旗のもと、競技する機会を認められるべきだ。我々の目的は、戦闘行為を支持しないロシアのパスポートを持ったスポーツ選手らを大会参加に復帰させることだ」
一方でバッハ会長は、ロシア人選手の復帰は簡単なことではないと指摘する。一部の国は大会に参加が認められている場合でも、ロシア人であるというだけで選手の入国を拒否しているほか、安全面の問題で選手が不安を感じる例もあるという。
「我々の平和的使命にはバグが生じている。そして、今この紛争の流れで罰せられているのはロシアとベラルーシのスポーツ選手らだ。スポーツは以前よりも増して政治的報復の手段に使われている。イランが米国選手らの大会参加を拒んだり、パレスチナがイスラエル選手と競技するのを禁じたりといった具合にだ。いつだって紛争状態にある誰かがいるのだ」
IOCは2月、ウクライナ情勢を背景にロシアとベラルーシのアスリートを国際大会に参加させないよう勧告。その後、様々な国際スポーツ連盟がこうした勧告に従い、ロシア人選手らを排除してきた。
ロシア人選手の大会復帰をめぐってはこのごろ、米五輪委員会のスザンヌ・ライオンズ会長が、「IOCはロシアのスポーツ選手を国際競技に復帰させる考えをまとめており、これは必ず実現する」と明らかにしていた。
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