西側諸国がウクライナに主力戦車を供給しない5つの理由

今年2月のロシア軍のウクライナにおける特殊軍事作戦開始以来、米国を筆頭とする西側諸国はウクライナに大規模な軍事支援を行ってきた。だが、ドイツ製の「レオパルド2」や米国製の「M1エイブラムス」といった現代的な西側の主力戦車の供給には踏み切れないでいる。その理由について、軍事専門メディア「Military Watch Magazine」が伝えている。
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「Military Watch Magazine」によると、第1の理由はもしウクライナにこうした戦車を提供した場合、ロシア軍に捕縛されるリスクがあるからだ。最悪の場合、技術情報など西側の軍事機密がロシア側に漏れる可能性がある。
第2の理由はこうした戦車のこれまでの芳しくない戦果だ。数年前、「レオパルド2」や「M1エイブラムス」はトルコ軍やイラク軍に供給されたものの、イラクやシリアで行われたテロリストの掃討作戦の際には大きな損失を被った。ウクライナでの戦闘に使われて敗戦を重ねようものなら、これらの戦車の評判は地に落ちてしまうため、供給を渋っているのだ。
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第3の理由は値段だ。「レオパルド2」「M1エイブラムス」は比較的古いモデルであっても、東欧諸国がこれまでにウクライナに供給してきた軍事車両や旧ソ連製の戦車よりもはるかに高額だ。
このほか、4つ目の理由として「レオパルド2」「M1エイブラムス」用の弾薬の備蓄がウクライナにないこと。5つ目の理由として、車体が重すぎてウクライナにある橋梁を渡ることができず、戦場で使い勝手が悪いことなども理由に挙げられている。
ドイツのオラフ・ショルツ首相はこのごろ、ニューヨークタイムズのインタビューに対し、ロシア・NATO(北大西洋条約機構)間の緊張を高める可能性があるため、ドイツ政府はウクライナに戦車を引き渡すつもりはないと表明していた。
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