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ロシアとアラブ首長国連邦、干ばつ地域での降雨技術を開発中

ロシアとアラブ首長国連邦の研究チームは、雨が必要な場所に降るような大気中水分の再分配について研究成果をまとめた。そのために独自の雨雲形成・移動方法が開発されたという。専門誌「Atmospheric research」が伝えている。
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研究チームによると、自然の雲は2つの種類に分けられるという。観測される場所に発生する局所雲、そして50-100キロメートルの長距離を「旅する」ことのできる前線雲の2つだ。前線雲の名の由来は、それらが暖かい空気と冷たい空気の境目で形成され、その拡散は大気前線の動きに条件づけられることにある。研究チームはこの前線雲に注目した。研究テーマとして、単に雨を誘引するだけでなく、前線を、例えば干ばつ地域や森林火災地域などの必要なポイントに移動させるという課題が設定された。
干ばつの発生原因は大気前線が通常、西から東への一方向に流れ、前線内の水分が移動に従い減少していくことにある。例えばアラブ首長国連邦の場合、前線は海の上空を通過する間に降雨し、陸地にはたどり着かない。大気前線を東にさらに50-100キロ延ばすことができれば、同国の多くの地域の気候と経済を向上できるだろう。
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ロシアとアラブ首長国連邦の研究者らは、前線上の水粒子の凝縮により、上昇に応じて熱が放出される試薬を開発した。これにより上昇気流の熱量と速度が増し、大気前線の垂直距離も延びる。こうして降水量とその頻度が増えるだけでなく、雲の寿命が延び、さらに50-100キロ分の移動延長が可能になる。
スプートニク通信ではこれより前、2022年前半の干ばつによる世界の損失は1兆8千億円に達することを伝えた。
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