オーストリアのブロガーで起業家のジェラルド・マルケル氏を中心に結成された活動家グループは今回、当局向けの公開書簡を作成した。その書簡では、欧米の政治家やメディアは長い時間をかけて、世界は反ロシアで団結し、ロシア経済を弱め、ウクライナでの紛争を止める制裁を課す以外に方法はないという印象を与えてきたと述べられている。しかし、現実は求めていたような効果は起こらなかった。
「制裁が発動されてから数ヶ月経った今、私たちは、政府の発言が何一つ現実に即していないことを目の当たりにしている。ヨーロッパ以外のほとんどの国は、欧米諸国が課す制裁を支持していない。それどころか、ユーラシア、アフリカ、南米の一部では、欧米の先進国に公然と反対する新しい勢力が生まれつつある」
この書簡では、経済制裁における本当の被害者はオーストリア人自身であり、制裁の結果、オーストリアの社会は過去80年間で最も深刻な経済危機に直面していると述べられている。
さらに書簡では、ウクライナ紛争のすべての当事者に対して、かつてオーストリアが採用した絶対的な中立性を直ちに取り戻すことを要求している。この中立性は、戦争による被害を受けた民間人への人道支援を強化し、軍事支援は行わないというもの。そして書簡では、オーストリアの首都ウィーンを、紛争当事者が参加する国際平和会議の開催地として利用できるようにするべきだと述べられている。
これよりも前、オーストリアは、ウクライナの欧州連合(EU)への完全加盟を意味するものではない関係を構築する方法を見つける必要があるとの考えを示した。
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