シルアノフ財相は、「ロシア産の食料輸出への制限はない」と一部の国が主張していることに異議を示し、次のように述べている。
「外国の港の閉鎖、ロシアの港への入港禁止、拿捕や保険適用の停止のリスク、ロシア金融機関のSWIFT排除、国際貿易、輸送企業への制限、これらは制限のうちの一部分である。こうした制限のすべてがロシア産食料や肥料の世界市場への輸出を妨げている。だから価格が不安定なのだ」
世界の小麦価格は10日、約5パーセント急騰し1ブッシェル(約35リットル)あたり、約9.2ドルの値をつけた。同日、ロシアがウクライナ全土への集中攻撃を行ったことによって、ウクライナ産の穀物輸出の先行き不安が市場に広まったためだとみられる。
2022年初めから小麦の値段は約19パーセント高騰した。ロシア、トルコ、国連、ウクライナによるいわゆる「穀物合意」によって、8月から黒海沿岸の港からウクライナ産の穀物輸出が再開。一時は小麦価格も落ち着いたものの、ここにきて再び危機が迫っている。ロシアとウクライナによる対立が激しさを増すなか、両者が穀物合意の延長に同意できるかも不透明な状態だ。
一方、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は11日、トルコのフルシ・アカル国防相と電話会談。穀物合意に基づくウクライナの港からの穀物輸出とロシア産食料の輸出を抱き合わせて実現させる方策について議論したという。
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