ロシア国防省は次のように発表している。
「10月29日、ウクライナ側が英国の参加のもと、『穀物回廊』の安全を保証していた黒海艦隊や民間船に対して行ったテロを勘案し、ロシア側はウクライナの港からの農作物輸出に関する協定への参加を停止する」
ロシア外務省も同日、穀物合意を「無期限停止」すると発表。ロシア側はウクライナの行為のせいで「黒海イニシアチブ」に参加している民間船の安全を守ることができなくなったとしている。また、ロシア側は参加停止について国連なども参加するトルコ・イスタンブルの共同調整センターに通達したとしている。
同日、これまでにロシア国防省は、ウクライナ側がロシア・クリミア半島のセバストポリにある露黒海艦隊の基地を無人航空機(ドローン)などでテロ攻撃したと明らかにしていた。一連の攻撃の計画やウクライナ軍の第73海上作戦特殊部隊の教練は、ウクライナ南部ニコラエフ(ミコライウ)州オチャコフ市にいた英国の特務員の指導のもと行われたとしている。
ロシア・国連・トルコ・ウクライナの4者の協議の結果、7月に結ばれた穀物合意では、ウクライナの黒海沿岸の港からの穀物輸出のほか、ロシア産の農産物や肥料を世界市場に供給できるよう各種制限を撤廃することが示された。