「Press TV」によると、専門家は米国経済が統計上は後退から脱却したことについて、ウクライナ和平を敢えて先延ばしにしたことを唯一の理由として説明している。紛争の長期化が米企業の武器の売上増加や欧州へのガス輸出の増大につながるというわけだ。
実際に米国の第3四半期の経済成長率は2.6パーセントとなっている。だが、武器とガスの輸出を考慮しなければ、この数字はマイナス0.2パーセントとなるとみられており、このことは米国経済が不安定なウクライナ情勢のおかげで「持っている」ことを表している。
一方、戦時経済のように一部企業が儲けを出していると同時に、多くの一般国民は苦しんでいる。米国では記録的なインフレ率と債務の上昇に加え、冬には高い失業率が待ち受けている。63パーセントの国民の家計は「火の車」となっているという。
このことから、多くの専門家は景気後退が再びやってくるとみており、V字回復ならぬ「W字不況」の到来を懸念しているという。このような経済的不安定性は、民主党が中間選挙で議席を失う可能性を強く示唆している。
さらに、米国では経済だけでなく、政治的にも統一性がないという。野党・共和党が中間選挙に勝利すれば、民主党のバイデン大統領が居座るホワイトハウスとの「ねじれ」状態となる。こうなればより一層経済問題の解決が難しくなるとみられ、経済的に困窮する国民が増えるとみられている。
米国経済を巡っては、高インフレを受けた米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げにより、米ドル高と他国通貨の下落が同時に進行している。その結果、世界は米国の強引な金融政策の代償を再び払うことになり、米ドルの覇権主義に嫌気がさし、すでにその代替策を取り始めている。
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