マールズ氏は、原子力潜水艦の建造は「とてつもないメリット」をもたらすが、これに取り組むことは計り知れないエネルギーを要すると述べた。
「我々は核への道を歩んでいる。これは口では簡単に言えることだが、国家的な努力という点では、それが意味するものは非常に大きい」
さらにマールズ氏は、これまで原子力潜水艦の部品を収容していた同国南部アデレード市の施設は、核物質が損傷するリスクを避け、強い地震負荷に耐えられるように改良する必要があると述べた。
この会議で海軍トップのマーク・ハモンド副大将は、原子力潜水艦がなければオーストラリアは脆弱な存在であると強調した。
「我々に危害を加えようとする国は、この国(オーストラリア)を侵略する必要はない。この海で(オーストラリアの)経済を絞め上げることができるからだ」
オーストラリア、英国、米国は2021年9月、3カ国からなる軍事協定「AUKUS」を設立した。豪政府は少なくとも8隻の原子力潜水艦の建造を計画しており、その1隻目が就役するのは2036年の予定。
原子力潜水艦は米英の技術を利用して建造される。詳しい建造費用はまだ発表されていないものの、かつてフランスが参加し、その後破棄された建造計画では、580億ドル(約8兆5100億円)と見積もられていた。また、原子力潜水艦の艦隊を配備する基地の建設費用は78億ドル(約1兆1450億円)と予想されている。
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