長い「核への道」 豪副首相 原子力潜水艦の建造の難しさについて語る

オーストラリアは2040年までに原子力潜水艦の艦隊を創設すべく、大規模な訓練、教育、研究を必要としている。同国のリチャード・マールズ副首相兼国防相が、オーストラリア潜水艦研究所の会議でこのような考えを示した。ブルームバーグが伝えている。
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マールズ氏は、原子力潜水艦の建造は「とてつもないメリット」をもたらすが、これに取り組むことは計り知れないエネルギーを要すると述べた。

「我々は核への道を歩んでいる。これは口では簡単に言えることだが、国家的な努力という点では、それが意味するものは非常に大きい」

さらにマールズ氏は、これまで原子力潜水艦の部品を収容していた同国南部アデレード市の施設は、核物質が損傷するリスクを避け、強い地震負荷に耐えられるように改良する必要があると述べた。
この会議で海軍トップのマーク・ハモンド副大将は、原子力潜水艦がなければオーストラリアは脆弱な存在であると強調した。
「我々に危害を加えようとする国は、この国(オーストラリア)を侵略する必要はない。この海で(オーストラリアの)経済を絞め上げることができるからだ」
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オーストラリア、英国、米国は2021年9月、3カ国からなる軍事協定「AUKUS」を設立した。豪政府は少なくとも8隻の原子力潜水艦の建造を計画しており、その1隻目が就役するのは2036年の予定。
原子力潜水艦は米英の技術を利用して建造される。詳しい建造費用はまだ発表されていないものの、かつてフランスが参加し、その後破棄された建造計画では、580億ドル(約8兆5100億円)と見積もられていた。また、原子力潜水艦の艦隊を配備する基地の建設費用は78億ドル(約1兆1450億円)と予想されている。
ロシアは、オーストラリアの領土に核兵器を配備することの危険性を指摘している。また、中国はAUKUSの枠組みでの協力関係を構築することは核兵器拡散のリスクを伴うと繰り返し発言している。一方、米国では、専門家らが潜水艦に搭載する高濃縮ウランの原子炉をオーストラリアに提供する危険性を警告する書簡をジョー・バイデン大統領に送っている。
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