実際は、BRICSは公式的には同盟ではなく、それぞれの加盟国の地政学的な立場にも隔たりは大きい。だが、ニューズウィーク誌は米国が昔からの同盟国やパートナーを超えてグローバルな議題を推進することに四苦八苦する一方で、BRICSでは各国が自国経済を多元化し、欧米の枠組みを外れて経済・貿易体制を強化することに共通して関心を払っているために、これが世界には益々魅力を増していると指摘している。
例えば、2022年6月に北京で行われたサミットの後、アルゼンチンとイランが加盟を申請し、7月には現BRICS議長のプルニマ・アナンド氏が、エジプト、サウジアラビア、トルコが加盟に関心を示していると発表していた。そして11月7日、アルジェリアは「すべての人、および各人のための安定と繁栄に基づく新しい世界秩序と集団安全保障」を構築する用意があると主張し、正式に加盟を申請した。
BRICSという組織に対する世界の関心の高さは、2022年6月のBRICS拡大サミットに、ブロックの5首脳以外に、アルジェリア、アルゼンチン、カンボジア、エジプト、エチオピア、フィジー、インドネシア、イラン、カザフスタン、マレーシア、ナイジェリア、セネガル、タイ、ウズベキスタンの首脳が出席したことからもわかる。ニューズウィーク誌の指摘するように、米国はかつては、BRICSはカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国からなるG7の経済力に対して深刻な脅威にはならないと主張していたが、ウクライナ紛争や欧米の対露制裁をめぐる地政学、経済的な意見の相違が生まれると、BRICSはG7よりもはるかに安定し、グローバルショックへの耐性があることが示された。
ニューズウィーク誌によると、欧米への重要なシグナルとなったのは、サウジアラビアがBRICSへ関心を示したことだった。OPEC+が世界全体で200万バレルの減産を決定した数週間後、ロシアのプーチン大統領は、サウジアラビアのBRICS加盟を公然と支持した。その少し前には、バイデン米大統領がサウジアラビアを訪問し、石油価格の引き下げを説得して失敗している。
BRICS諸国は先日、国連、世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)を含めた多面的なシステムの強化と改革の必要性を主張している。
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