「アマゾンは1万人の社員の解雇を計画しており、今週中にも着手する」
同紙は、関係者の話としてこのように伝えている。1万人の人員削減は同社史上、最大規模だという。
今回の人員削減の対象となるのは、音声補助システム「Alexa」の開発などを含む端末生産部門を中心に、小売り部門や人事部の一部にも及ぶ。現在、削減数は1万人としているが、最終的な数字は確定していない。
11月上旬、アマゾンの時価総額が1兆ドル減少したと報じられていた。1兆ドルを消失した企業は世界初。アマゾンの第4四半期の売上は1400億ドルと予想され、アナリスト予想(約1550億ドル)を下回った。原因は加速するインフレや金融引き締め政策とも関連しているという。
米国の巨大IT企業、グーグル(Google)、アップル(Apple)、メタ(旧称Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社は、その頭文字をとって「GAFA」と呼ばれることがある。今まで急成長を遂げ、増収増益の一方だったGAFAの勢いに陰りが見え始めている。
グーグルの親会社である「Alphabet」は、第3四半期の純利益が前年同期比で27パーセント減の139億ドルに。6パーセントの増益となったものの、広告が振るわず、市場予測を下回った。
また、Appleはハイテク業界が物価高や支出削減であえぐなか、比較的ダメージが少ない。GAFA他社と比べ株価の下落幅が抑えられているほか、第3四半期は売上高、収益ともに市場予想を上回った。一方、第4四半期は減速を見込んでいるという。
もちろん、各社ともに莫大な利益を稼ぎ続けていることは事実だ。「今まで儲けすぎていた」という見方もできるだろう。だが、米国をはじめ世界各国で物価高、インフレ対策の金融引き締めで景気後退が懸念されており、険しい道が待ち受けている。これがGAFA時代の「終わりの始まり」となるのか、見極めるにはもう少し時間がかかりそうだ。
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