なぜ人は退屈だとあくびをするのか?
あくびは生理的な観点から見ると、通常の呼吸より深くて長い呼吸であり、脳と全身の酸素濃度を高めるもの。原則的に、あくびは疲れている時や、眠い時、二酸化炭素濃度の高い部屋で呼吸の回数が減っている時、筋肉が活動していないときに起こるという。ブリック氏によると、日常生活で「退屈」と表現される状態は、身体は長時間の運動不足が原因で、血中酸素濃度が低下している。そんなとき、脳はあくびという形で体内の換気を促し、眠らないようにするという。
あくびはうつる
あくびは自閉症や5歳以下の子供以外にはうつるが、忠実な性格を持つ犬はその動作を頻繁に繰り返すという。神経細胞のミラーニューロン(ミラ ーは鏡の意)の存在によってもたらされる脳の学習能力が、あくびという反応に現れているのだとブリック氏は説明する。ミラーニューロンは、1996年にイタリアの神経学者ジャコモ・リッツォラッティ氏によって発見された。ブリック氏によると、リッツォラッティ氏はサルを研究していた際、ミラーニューロンが、サルがある動作をしたときだけでなく、他の動物が同様の動作をするのを見たときにも活性化することに気づいた。つ まり、人があくびをしているのを見ると、自分もあくびをしたくなる。この時、ミラーニューロンには人の目が見たものを再現しようとする衝動が起き、無意識の反応を引き起こすという。
スプートニクは以前、ある物事を忘れることは有益なことであり、人間のより柔軟な行動を促すというアイルランドの研究について報じている。
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