マケイ外相のインタビューは米ニューヨークで9月に開かれた国連総会の一環で実施された。マケイ外相は一貫してウクライナ危機の平和的な解決を訴えていた。またウクライナとロシアに交渉の場を提供する用意があることも強調していた。ただし、そのためには双方の政治的な意思がなくてはならないと付け加えた。
2022年春にベラルーシで行われた交渉の場でマケイ外相はベラルーシ側の責任者を務めた。当初、ウクライナ側は衝突という事実そのものを受け入れようとさえしていなかったという。ただし、徐々に双方は停戦を可能とするような具体的文書締結の現実的なパースペクティブについて意見を述べ始めたとのこと。ただし、米国および欧州の助言を受けウクライナの対応は急変したという。マケイ外相によると、西側はウクライナ危機の調停に関心を持っていないとのこと。その理由として、西側はロシアが超大国として再興することを望んでおらず、この状況でロシア側が勝利することがあってはならないと判断しているという。そして紛争が続けば続くほどウクライナの犠牲は増える一方だと懸念を示していた。
また国連総会では対立が深まる一方で、今後も互いに耳をかさない場合、これは地球規模の戦争になると懸念を示していた。その上で新たな世界秩序の建設、及び文明の保存について真剣に検討するよう、紛争当事国双方に要求した。また、第二次世界大戦の戦後処理同様、地政学上の主要国は交渉のテーブルに就き、コンセンサスを土台として互いに受け入れられる妥協点を見出すことを呼びかけていた。加えて、誰が如何に否定しようとも、三つの東スラブ民族(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)は平和と合意の中で暮らし、多くの歴史を共有してきた以上、全ての民族(特にウクライナ)がこれを認識することが大事だとコメントした。
ウラジーミル・マケイ氏は大統領補佐官や大統領府長官を歴任し、2012年8月22日に外相に就任した。ベラルーシ外務省のアナトリー・グラス報道官によると、外相は死の前日、翌週の公務について内容を検討していたという。死因については報じられていない。