英EU離脱支持者の失敗 日英の自由貿易協定発行後、対日輸出額が減少

英国から日本への輸出額は、日英包括的経済連携協定発効後に減少した。英紙「ガーディアン」が報じている。同紙によると、これは、欧州連合(EU)域外の国々との貿易により、単一市場からの離脱による損失を相殺できると主張していた英国のEU 離脱支持者にとって失敗を意味する。
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2020年10月、英国のリズ・トラス国際貿易相(当時)は日本との貿易協定に署名した際、これは「英国にとって画期的な瞬間」であると述べた。この協定は貿易額を何十億ポンド規模で増加させ、新型コロナウイルスのパンデミックから英国を回復させるのに役立つと言われていた。当時は、日英間の貿易額の伸びは150億ポンド(2兆5000億円)になるとみられていた。しかし、英国の国際貿易省によると、事態は異なる方向に進んでいるという。
2020年の協定締結時、両国間の貿易額は249億ポンド(約4兆1600億円)だったが、1年後には5%減の237億ポンド(約3兆9600億円)となっている。同紙は、貿易総額が減少したのは、主に英国の対日輸出が減少したためだと指摘している。英国際貿易省のデータによると、その後の2022年6月までの1年間では、英国の対日輸出額は4.9%減の61億ポンド(約1兆200億円)、サービス輸出は2%減の58億ポンド(約9680億円)となっている。
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英国の野党・労働党の代表は、保守党の政権閣僚に対して「この輸出額は英国の利益を保証するものになっていない」と、対日貿易の落ち込みを非難した。同紙によると、専門家らは現在、英国のEU 離脱が英国の国際貿易に悪影響を与えることを認めている。一方、企業は欧州への輸出に関連する税関検査の増加や官僚主義に対応しなければならなくなった。英国の貿易強度は長期的に15%減少するとみられている。
スプートニクは以前、英国に流入する移民の問題について報じた。同国では移民の急増により学校の定員超えが発生し、地元の子どもたちが学校に通うことができなくなっている。
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