同紙によると、レイセオンとドイツのミサイルシステムメーカー「MBDA・ドイツ」は、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に販売する「パトリオット」の生産ラインをドイツに設置することを提案している。新しい生産拠点は、ドイツ連邦軍が保有する「パトリオット」の維持および近代化を行う合弁会社「COMLOG」が長年経営を続けてきたドイツ南部バイエルン州のシュローベンハウゼンに置かれる予定。レイセオンのマネージャーであるダグ・スティーブンソン氏は、同紙に対し「欧州における当社製品の需要増を考慮し、生産能力を倍増する予定だ」と自社の計画を明らかにした。スティーブンソン氏は具体的な数字は示さなかったものの、近い将来、その数は数百基になる可能性があると指摘している。
安全保障情勢の変化に伴い、レイセオンは4〜5年後に欧州にある旧型の「パトリオット」をすべて新型に交換し、備蓄分を増強する予定。また、ドイツは「パトリオット」用の新型ミサイル「GEM-T」の製造を計画している。この新型ミサイルは、ドイツ製の推進システムと、直撃することなく目標を破壊できるドイツ製の爆発性弾頭を手に入れることになる。同紙は、MBDA・ドイツとレイセオンによる提案は、欧州共通の防空システム「スカイシールド」の構築に貢献することにつながると指摘している。
スプートニクは以前、スカイシールドの構築について、NATO元核砲将校のピエール・アルノー氏のコメントを引用して報じている。
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