ブベエフ副所長によると、研究チームへは100人以上の僧侶が応募した。選考の末、チベット仏教の各寺院から瞑想のプロである僧侶計8人の参加が決まった。
ブベエフ氏はチベット仏教の指導者、ダライ・ラマ法王にも会見したという。その際、各種の瞑想における僧侶の脳波の計測を認められたほか、西洋科学では未だ解明されていない、心肺停止状態で起きるとされる瞑想状態「トゥクタム」についても研究するよう提案されたという。
僧侶の研究グループは手始めにモスクワ大学などの学術機関に招聘され、脳神経科学に関する講義を受けた。僧侶の瞑想に関する研究は、これまでにも欧米の研究者らが寺院を訪れて行ったことはあるが、今回の研究プロジェクトでは研究所で常駐の僧侶らの参加のもと行われる。
また、すでに英語を話さない僧侶との意思疎通、タブーな話題、僧侶らと科学者のエチケット、精神性の違いなど、通常の研究とは異なる困難があったとしているが、こうした問題はすでに解決済みだとしている。
瞑想と人工睡眠をめぐっては、これまでにロシア・サンクトペテルブルクにある欧州最古の仏教寺院「グンゼチョイネイ・ダツァン」の長を務めるラマ僧、ブダ・バドマエフ氏が「別の惑星に人間を派遣する際にも、仏教の瞑想は生きるはずだ」と述べていた。
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