エアロゾルとは、気体中に漂う液体または固体の微粒子。大腸菌やノロウイルスなどの病原体を運搬する働きがあることで知られており、トイレの水を流すときにも発生する。特に蓋のない公衆トイレなどでは、利用者が病原体に曝露するリスクがあるという。
そこでボルダー校のエンジニアチームは緑色のレーザーとカメラ装置を使って実験。公衆トイレの水を流した際、肉眼では捉えることのできない小さな粒子が勢いよく放出される様子が明らかになった。
大きさは10分の1ミクロン、場合によっては1ミリ近いものも。大きなものは数秒で落下するが、小さいものは空気中を数分間、あるいはそれ以上浮遊した状態が続くという。
この実験について書かれた論文は学術雑誌「Scientific Reports」に掲載された。
この研究の筆頭著者で生体流体力学研究所を運営するジョン・クリマルディ教授は、エアロゾル粒子が放出されるプロセスを鮮明に可視化したことで、この研究は公衆衛生において重要な役割を果たすと語る。
「目に見えないものを存在しないことにするのは簡単です。しかしこの映像を見れば、トイレの水を流すということについて二度と同じように考えることはできなくなるでしょう」
また、この研究は公衆トイレにおける病原体への曝露リスクを低減させるため、配管設計や換気方法の改善を一貫して検証する方法を専門家に提供するものだという。