ローゼン氏によれば、北極圏はすでに世界経済と戦略的影響力の両方において非常に重要であり、米国の関心の的となっている。しかし、この地域におけるロシアのプレゼンスは米国のそれよりもはるかに大きく、米政権は「追いかける」の立場にあるという。
同氏は、米国が真の北極圏の大国であることを宣言するには技術面での準備が不足していると強調している。
「米国には2隻の砕氷船しかない。米国はさらに6隻を建造する計画を立てているが、カナダの計画では18隻、ロシアは50隻以上を建設する予定だ。米国はアラスカで、大型軍艦や兵站艦を収容するのに必要な北極圏の港を持たず、グリーンランドのチューレ空軍基地が唯一の港となっている。そして、北極圏にある6つの軍事基地は、いずれも北極圏に向かうための『予備基地』だが、気候変動の影響で常に修理や介入が必要な状態になっている」
さらにローゼン氏は、ロシアはここ8年間で、北極圏の海岸線(1万5000マイル)に沿って約50個の基地を再建し、近代化を進めてきたと指摘している。
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