2022年の主要な出来事

ロボットと脳インプラント イーロン・マスク氏が最先端技術で切り開く2023年とは?

米国の起業家イーロン・マスク氏は、宇宙開発、電気自動車、脳インプラントなどを手がけるビジネスマンだ。マスク氏は2023年、どのようなモノを作り出し、最先端のテクノロジーで未来を切り開いていくのだろうか。ロシア経済紙「RBC」が伝えている。
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人間の脳にインプラントを埋め込む
マスク氏が2016年に設立した医療機器会社「ニューラリンク」は、2023年に人間の脳にインプラントを埋め込む実験を実施する可能性がある。
マスク氏は2022年11月末に開催された同社の発表会で、「ニューラリンクの目標は、脳のインターフェースをすべて再現することにある。つまり、現在取り組んでいるインプラントは、長期的には脳のあらゆる部分と相互作用することになる。短期的には、このインプラントは脳の特定の部分と相互作用し、人間の生活上における問題を解決できるようになるだろう」と述べている。
ニューラリンクの研究者らは現在、2種類の脳インプラントを開発している。1つは脊髄に埋め込んで、運動機能の回復を図るもので、もう一つは、視力の改善を目的としたもの。
同社はすでに、人間の脳へのインプラント埋め込みに関する承認を得るため、米国食品医薬品局(FDA)と協議を行っている。
工場ではロボットが人間に取って代わり始める
製造業ではロボットが人間に取って代わるという憶測が現実味を帯びてきている。2023年、マスク氏がCEOを務める電気自動車メーカー「テスラ」の工場で働く従業員の名簿の内容は、ヒト型汎用人工知能(AI)ロボット「オプティマス」に変わるかもしれない。
2022年12月初頭、マスク氏はオプティマスの試作機を発表した。2.3キロワットのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、これは1日の稼働量としては十分な電力だという。
オプティマスはさまざまな作業をこなし、倉庫の作業員の代わりとなるだけでなく、予備部品や部品の仕分けもできるようになるという。
マスクが指摘したように、オプティマスは「極めて高性能なロボット」であり、大量に生産されることになる。その製造コストは2万ドル(約265万円)未満になる見込み。マスク氏は、このロボットは将来、夕食を作ったり、庭の芝を刈り、高齢者の世話をするなど、急速に人間の生活に入り込むことになるだろうと予測している。
月旅行の時代を切り拓く
宇宙開発企業「スペースX」を率いるマスク氏は2017年、民間人初の月の周回旅行を2023年に実施すると発表していた。2018年には日本の実業家の前澤友作氏が、同社が企画する月面旅行に参加すると発表していた。
そして、2022年12月初旬、前澤氏はこのプロジェクトに参加する民間人クルー8人とバックアップを担当するクルー2人が決まったと発表した。
マスク氏は、この月の周回旅行の実現は、宇宙産業のさらなる発展に新たな展望を開くことになると述べている。
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「前澤氏は最も勇敢な人物であり、この旅に最も意欲的だ。我々を選び、宇宙船の開発のために大金を払ってくれたことを光栄に思う。長い目で見れば、この宇宙船は誰もが月や火星の軌道に乗れるようにするための基礎になるだろう。前澤氏は、市民が他の惑星に旅行できるようにするための費用を援助しているのだ。これは素晴らしいことなのだ」

前澤氏は、このプロジェクトの実現に向けて、すでに前金を払っている。その金額は不明であり、当事者はその金額については公開しないとしている。このプロジェクトが実現すれば、1972年に米航空宇宙局(NASA)が月面着陸して以来の人類による月訪問となる。
長期的な視点
マスク氏の計画と野望は、AIや宇宙開発にとどまらず、他の分野にも広がっている。同氏は2022年11月15日から16日にかけてバリ島で開催されたG20サミットで、今後の計画について語っている。
マスク氏は交通渋滞を解決するための地下トンネルの建設を進めている。地下トンネルを作ることで、渋滞や天候、地震の影響を受けない地下空間ができる。そしてそのトンネルを走るのは、電気自動車。

「渋滞対策はトンネルしかない。空飛ぶクルマの登場は、道路の交通量を減らすことにもつながる。しかし、こういった輸送手段には、いくつかのデメリットがある。騒音の問題があるし、故障すれば人々が暮らすエリアに車が落下するリスクは常にある。トンネルであれば、こうした問題はない。交通渋滞が解決されるまで、トンネルはいくつでも建設できる」

さらにマスク氏はそのサミットで、銀河系を飛行するロケットの開発について語っている。

「もしかしたら、異星人の文明を発見したり、何百万年も前に存在した文明を見つけることができるかもしれない。銀河系を探索することは、ものすごく面白いことだと思う」

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