【ルポ】「ロシアが世界に平和をもたらしている」 ベトナムの「犬を連れた奥さん」がロシアと犬への愛を語る

ベトナムの首都ハノイに住む人で知らない人はいないという、ある女性がいる。手製のバギーに13匹の犬を載せて、連れ歩くスタイリストのグエン・ヒ・キム・クイさん(71)。クイさんは年金生活にはいるとYouTubeチャンネルを立ち上げ、ヘアースタイリングを無料で教えたりしているが、それ以外の時間はすべて自分の飼い犬に捧げている。
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今いる13匹のうち、クイさんが最初に飼っていたのは6匹。コロナウイルスが蔓延した時、感染者らから世話ができなくなった犬を預かってくれと頼まれたため、数が増えた。ところが後日、入院した飼い主たちなどは引き取りに来なかったため、クイさんはそのまま手元に残し、また虐待していた飼い主にはお金を払ってまで犬を買い取った。
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プーチンという犬

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クイさんの犬

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プーチンという犬

クイさんの人生はロシアと縁がある。クイさんの心には76年前に自分の母親が言ったという、あるセリフが刻まれている。
「もし米国とドイツがロシアを尊敬すれば、世界全体は平和になるのに」
クイさんの母親は6人の子どもたちに、ベトナム語で「米国」、「ドイツ」、「尊敬」、「ロシア」、「世界」、「平和」を表す6つの単語を命名した。3人目に生まれたクイさんは「尊敬」という名前を授かった。クイさんの妹はソ連のレニングラードで学び、勤務していた。クイさんはその町を昔も今も変わらずにサンクトペテルブルクと呼んでいる。妹は自分がいる間に遊びにおいでと何度も姉を呼んだが、クイさんは犬がいるためにとうとう行かずじまいだった。
犬たちと朝の散歩をするクイさん
クイさんはロシア人をこよなく愛しており、ロシアこそが世界に平和をもたらすと考えているという。クイさんはプーチン大統領をとても高くかっており、とうとう自分の犬を「プーチン」と名付けてしまった。また犬を連れてあるくバギーには誇りを持ってZの文字を書き込んだ。
「Zの文字が表すのは勝利です。ネオナチとのこの戦争にロシアは必ず勝ちます。今、ベトナムがここにあるのはすべてロシアのおかげだということを、皆に忘れないでほしいんです」
犬たちと朝の散歩をするクイさん
クイさんはもう何年も菜食主義を貫いている。入るお金の大部分は子ども同然にかわいがる犬の世話代に消える。年金生活を送っているが、コロナ蔓延の時に貯金は全てはたいてしまった。今は弟から毎月500万ドン(2万8000円)を、二人の娘からは1000万ドン(5万6000円)を受け取り、それをそっくり、大事な友達である犬の飼育費に充てている。
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