その専門家によると、ロシアはドンバスでの戦闘で、たった2日間で英国軍の全弾薬備蓄量よりも多い弾薬を消費した。一方、ウクライナは、北大西洋条約機構(NATO)の口径155ミリの砲弾を毎月4万個使用している。この砲弾は欧州全体で製造されており、その年間製造量は約30万個。この紛争が突然終わったとしても、現在の製造速度で在庫を補充するには、最大で15年かかるとみられている。
米国以外のNATO加盟国は、大規模な砲撃戦に十分な兵器を備蓄しておらず、またそのような備蓄を製造する産業能力もないと専門家は指摘している。欧州の弾薬メーカーでは生産能力が不足している上に専門性を持った人材も不足しており、サプライチェーンにも問題を抱えている。さらには、環境規制の点でも苦慮している。もちろん、米国はウクライナへの強力な支援を継続するが、ウクライナの状況は、平時から無謀にも防衛産業の萎縮させてきた欧州各国によるものだと専門家は非難している。ドイツは現時点でロシアからの攻撃があった場合、2週間分の弾薬しかない。そしてNATOは、30日間の戦闘に必要な弾薬を備蓄すべきだが、備蓄量は現在のところ、この要件を下回っている。したがって、NATOについては言うまでもないが、欧州がウクライナを支援できる最良の方法は、弾薬の増産。それが、来る2023年における大きな問題になると専門家はみている。
これよりも前、スプートニクは、西側諸国からウクライナに送られる兵器が密輸品になるケースが少なくないと報じている。
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