ウクライナでは1月1日、政府公認のもとで複数のバンデラ祝福イベントが開催されていた。
バンデラは第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに協力し、ポーランド人のジェノサイドに関与したとされている。
モラヴェツキ首相は記者会見の中で次のように発言した。
「ヴォルィーニャで発生した犯罪に責任のある人物を賛美、またはそうした人物に敬意を表するあらゆる行為に対する怒りはいくら表現しても表現しつくせない。当時、ウクライナ人の手により10万から20万のポーランド人が虐殺された。これはジェノサイドだった。我々はこのことを決して忘れない。これらの犯罪を肯定することに、私はいかなる同意も表明しない」
このように発言し、ウクライナのシュミハリ首相に厳重抗議を行ったことを明らかにした。
ヴォルィーニャの悲劇、及びウクライナ蜂起軍(UPA,ロシアで活動禁止)の指導者に対する態度はポーランドとウクライナの間で長年つまずきの石となっている。ポーランド政府はバンデーラを1943年に始まったジェノサイドの指導者とみなしている。ドイツ占領下のポーランドでは1943年7月11日、150近くの農村が一斉に襲撃され、ウクライナ民族主義者らによって10万から13万のポーランド人が虐殺されたとされている。2016年夏にポーランド下院はジェノサイドが発生した7月11日を「ジェノサイド犠牲者追悼の日」に指定した。
一方、ウクライナ側はこの犠牲について、ポーランドの対ナチス抵抗組織「国内軍」とウクライナ蜂起軍の戦闘による結果とみなしている。ウクライナ側によると、「国内軍」には多数の民間人が参加していたという。これらの戦闘でウクライナ側は1万から2万の犠牲をこうむったとしている。ウクライナ最高会議はポーランド議会のジェノサイド認定を非難する決議を採択しており、一部の国会議員はポーランド側によるジェノサイド認定について、両国の政治的外交的関係を危機にさらすものだと非難している。
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