報道によると、蚊を研究室で作製した特殊なウイルスに感染させることで、空飛ぶワクチン運搬船に変身させるという。野生動物がこういった蚊に刺されると、野生動物はすぐに高い抵抗力を持つ免疫を獲得し、ジカウイルスなどの危険な病気の発症を防ぐこと可能となる。研究者らによると、この研究は、特に絶滅危惧種をウイルス性疾患から守ることにつながるという。
この研究を行った中国科学院動物学研究所のジャン・アイハウ教授によると、ジカウイルスと同じ属に分類される「Chaoyangウイルス(CYV)」の先行研究に注目した。このウイルスは、蚊の体内で複製できるものの、脊椎動物の体内では複製できないという。
ジャン教授はこの点を利用して、ジカウイルス(ZIKV)にCYVを挿入し、感染性のない「CYV-ZIKVウイルス」を作成した。その後、研究者らはこのウイルスを含む血液を蚊に与え、蚊をワクチンキャリアにさせた。マウスを使った実験を行ったところ、この蚊に刺されたマウスは、抗体を5ヶ月以上保持した。その後、免疫を獲得したマウスにジカウイルスを直接注射したところ、マウスは全て生存することができたという。
ジャン教授は、「我々の研究は、人獣共通感染症ウイルスを除去する蚊を媒体としたワクチン開発のための道を提供している」と語っている。
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