「チャンネル1杯」は、ロシアフィギュア界のスター選手らが北京五輪団体金のカミラ・ワリエワ選手(16)が率いる「ナス・ニェ・ダゴニャット(私たちには追い付けない)」と、平昌五輪女子シングル金のアリーナ・ザギトワ選手(20)が率いる「クラスナヤ・マシナ(赤い車)」の2チームに分かれ、団体戦を闘う大会。各チームからそれぞれ男女シングル4人ずつ、ペア2組が出場し、SPとFSの合計点で優勝チームを決める。
注目の女子では、SPでは思い通りの演技ができなかったソフィア・アカチエワ選手(15、ザギトワT)が、4回転トウループとダブルアクセルのコンビネーションを決めるなど、2位に大差をつけてFS首位に(177.75点)。今シーズンのロシア選手権女王らしい圧巻の演技をみせつけた。
SP首位のソフィア・ムラヴィヨワ選手(16、ワリエワT)は、前半に着氷が乱れる場面もあったがふんばり、流れるような滑りで観客を魅了した。得点は160.23点でFS2位だった。
アデリヤ・ペトロシャン選手(15、ザギトワT)は、4回転トウループや3回転半など高難度の構成で挑んだ。少しはらはらする場面もあったが耐えきり、全体的には安定した演技をみせた。
女帝エリザベータ・トゥクタミシェワ選手(26、ワリエワT)は、2本の3回転半を成功させベテランの意地をみせつけた。滑走後は息も絶え絶えでインタビューでも声がでないほど疲れた様子だったが、達成感から笑顔をみせ、客席からの拍手喝采を浴びていた。
男子シングルでは、SPでは最下位だったドミトリー・アリエフ選手(23、ワリエワT)が4回転ジャンプを3本決め、185.47点としてFS首位に。「昨日はだめで、チームの皆にも謝った。でも、今日はプレッシャーもあったがうまくいった」とチームに貢献できてほっとした様子だった。
各チームリーダーのザギトワ、ワリエワ両選手の演技は行われなかった。ザギトワ選手は正式には引退していないものの第一線からは退いているほか、現役のワリエワ選手も「病み上がり」のため出場を控えたという。
「クラスナヤ・マシナ」のザギトワ選手は、滑走者としての参加を含めると今大会は3回目の優勝。終了後のインタビューでは「選手皆、全力を出して頑張ってくれた。相手チームにも感謝したい」と満足そうな笑みをみせた。
惜しくも優勝を逃した「ナス・ニェ・ダゴニャット」のワリエワ選手も「皆とこの場にいることがただうれしいし、ファンの皆さんにもありがとうと言いたい」と笑顔。また、リーダーの役割については「大変だった。仲間を応援したり心配したりで、自分は滑ってないのに、ショートとフリーを滑ったかのようだった」と述べ、肩の荷が下りてほっとした表情をみせた。
また、ザギトワチームは優勝賞金1100万ルーブル(約2100万円)、ワリエワチームも900万ルーブル(約1700万円)を手にした。
関連ニュース