トルコ外交筋はスプートニクに対して次のように話している。
「我々の要請によりトルコ、スウェーデン、フィンランドの3カ国協議は無期限にわたり停止された」
21日、スウェーデンの首都ストックホルムのトルコ大使館前で、デンマークの極右政党党首のラスマス・パルダン氏がイスラム教の経典「コーラン」を燃やす騒動があった。スウェーデン当局はパルダン氏に対して活動許可を出していたとされており、トルコをはじめ世界のイスラム諸国が批判。外交問題に発展している。
トルコのエルドアン大統領はこの事件を受け「このような抗議活動を許可するのであれば、NATOへの加盟問題についてスウェーデンがトルコの支援を得ることはできない」と述べ、強い不快感を表明していた。
また、トルコ外務省も、事件が欧州におけるイスラム嫌悪、人種差別主義、差別のレベルを物語っているほか、これはスウェーデンが署名したテロ組織のプロパガンダを防ぐことに関する3カ国間(トルコ、スウェーデン、フィンランド)の覚書の義務に明らかに違反していると非難している。
スウェーデン・フィンランドのNATO加盟問題
スウェーデンとフィンランドは5月、ウクライナ情勢を受けNATO加盟を申請。だが、エルドアン大統領は、2国がトルコの反政府テロを支援しているなどとして拙速な加盟に待ったをかけた。
新たなNATO加盟には既存の全加盟国の承認が必要なため、トルコの同意が必須となっている。6月にはNATOのストルテンベルグ事務総長の仲介のもと、北欧2国が反政府テロ組織を支援しないことを引き換えに、トルコが加盟を承認することで大筋合意。その後、トルコがテロリストとみなしている活動家らの身柄引き渡しなどをめぐり、協議が続けられていた。
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