フランスではこの日、年金支給年齢引き上げに反対するための2回目の国民ストライキとなっており、全国各地200カ所以上でデモが行われた。デモ前の仏警察当局の試算によると、参加予定者数はパリだけで10万人、全国では計約120万人とされている。
パリでは31日午後2時半(日本時間午後10時半)過ぎから市南部のイタリア広場で始まった。現場を訪れたスプートニク特派員によると、ここだけでも数千人の参加者が確認できた。左翼から青年団体、「黄色いベスト運動」、過激派運動「black bloc」など様々な組織から参加した。
デモは始めは平和的に行われていたが、その後一部が暴徒化して警察との衝突に至った。参加者は金属の柵でバリケードをつくり、警察に対し瓶を投げるなどして抗議。一方、警察は催涙ガスを噴射してデモを散会させようとした。警察当局はこれまでに少なくとも23人を拘束した。
フランス・マクロン政権のエリザベット・ボルヌ首相は1月10日、年金支給開始年齢を現行の62歳から64歳に2030年までに段階的に引き上げる改革案を発表。これを受け、19日には1回目の全国の労働組合が参加した国民ストライキが行われ、パリ、マルセイユ、リヨン、トゥールーゼなど全国各地でデモが行われた。仏内務省発表ではデモには100万人以上が参加し、38人の拘束者も出た。
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