発表によると、軍事拠点へのアクセス拡大により、フィリピンにおける人道的緊急事態や気候災害に対処するための支援をより迅速に行ったり、共通の課題に対応することが可能となる。フィリピンを訪問中の米国のオースティン国務長官は、米国はフィリピンにおける米軍の恒常的な駐留は目指しておらず、巡回駐留を選択していると指摘した。
米国とフィリピンは長年にわたり安全保障面で同盟関係にある。2014年には、係争海域の近くにあるものを含むフィリピン国内の基地5カ所に米軍がアクセスすることを認めた防衛協力強化協定(EDCA)も締結した。また同協定は、米軍がこれらの基地に装備や備品を保管することも認めている。一方、恒常的な駐留は排除している。
フィリピンのドゥテルテ前大統領が中国への接近政策を取っていたため、近年、協定の拡大は滞っていた。一方、マルコス現政権はこの状況を変えようとしている。
なお、新たにアクセス可能となる基地の所在地は発表されていない。AFP通信は消息筋の話を引用し、そのほとんどはフィリピン最大の島ルソン島(台湾に最も近いフィリピンの領土)にあると報じている。米軍はすでにルソン島にある基地2カ所へのアクセスが認められている。
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